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Smurfed remain

2チャンネル, ビデオインスタレーション, 90分

Smurfed remain(個展)

モーグ, チェルシー・カレッジ・オブ・アーツ, ロンドン,イギリス

51°29'21.7"N, 0°07'42.9"W

1, 25 - 29
2016

これはミルバンク刑務所の遺跡のカウンター・メモリーの為の占拠学会プロジェクトです。19世紀に主にオーストラリア流刑者を収容していたミルバンク刑務所の遺構が現存するミルバンク地区にあるチェルシー・カレッジ・オブ・アーツで滞在制作をしていた山田は、刑務所とテムズ川を結んでいた地下道が通じているパブ「モーペスアームズ(The Morpeth Arms)」の店主ギャリー・ウィルソンとの出会いからこのプロジェクトを開始しました。ウィルソン氏はこの陰鬱な歴史を逆手に取り、店内の内装に様々な遊びと工夫を凝らしながら組み込むことによって独自のパブ経営を行なっていました。国の軍事情報機関であるMI6の対岸に位置するロケーションを活用し、窓にMI6を監視する為の双眼鏡を設置したり、刑務所の通路に設置した監視カメラの画像をパブの中で流し、そのモニターのしたに「囚人の幽霊の中継」と表記して歴史的なユーモアを店の売りにして地域の住民からも親しまれていました。彼の活動に関心を抱いた山田は店の監視カメラを使用したカンファレンス・パフォーマンスを発想します。山田はかつて刑務所だった敷地に建設されたテート・ブリテンやチェルシー・カレッジ・オブ・アーツで働く研究者やアーキビストを招いてパブを占拠し、その中継映像でパブの監視カメラの映像をハッキングすることで刑務所の地下道の遺跡に映像の壁を浮かび上がらせ、それが又パブ全体のモニターで中継されるという映像と占拠のサイクルをパブの中につくり出しました。2015年にエドワード・スノーデンによって暴露されたイギリス政府が国民のスマートフォーンのカメラを透視する為に使用していたという透視プログラムと類似のシステムを使用して行なわれたこのパフォーマンスは、国からの監視を超越して自己開示するという近年多くの人々がSNSやスマートフォンを通して行なう社会的抵抗を建築規模で共有することで、国が刑務所という社会的装置を植民地化のために活用した実際的記憶に対する現在の抵抗としてパブに集まった人々と催行されました。