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漕港河议践

10チャンネル・ビデオ・インスタレーション、67分
証大朱家角藝術館

上海, 中国

31°06'40.2"N, 121°03'17.9"E

10, 22 - 11, 13
2016

このビデオ作品は、明時代から700年以上続く古都、朱家角の漕港河の船上で行なったミーティング・プラクティスの記録映像です。このミーティングでは地域で起こる新規開発地区から追われた住民と開発と同時期に外部から移り住んできた人々との間で「古都がどのように古代の文化/生活と新規開発の間に起こる矛盾を共有しているのか」という基本的問いをベースに12名の様々な職種、様々な世代の集まりによって議論が交わされました。会議は監視カメラによって透視/監視/記録され透明性の下で議論を交わすことを前提としており、各国の政府が使用するスマートフォーンを透視するシステムと類似の方法を記録に採用しています。この実践は2013年のスノーデン事件以降顕著になってきたスマートフォン等のデバイスを通した過度の自己表現/開示によって生まれる社会動きそのものを、中国における発言の自由への新たなカウンター的構造として捉え直す為のアプローチです。中国共産党の第一会議である船上会議「南湖会議」と対比させたこの試みは、革命で変革する社会とは真逆とも思える個々の何気ない会話が、地域を交差する社会の中でイノベーティブな要素のひとつになりえるという現代の見えざる危うさも同時に示唆しています。